今何が起きているのか。私にも分からないけれど、ここまでの経緯を話そうと思う。 ◆ いつも通り、ギリギリ登校時刻に間に合って教室の席に座った。前の子とお喋りして、授業中は藤くんを見つめる。カッコいいな…と頬杖をつきながらため息をつくと、先生に当てられた。 「花巻さん。これを解いてくれる?」 「ひゃっ。は、はい!」 授業なんて聞いていなかったから、答えることもできず、隣の席の城野宮さんが私の流れ弾に当たってしまい…。(申し訳ないことをしたな) 「x=±3」 そして、昼休み。私はモグモグとお弁当を頬張った。大好きな唐揚げが入っていたし、近くで藤くんが明日葉くんたちとお昼を食べていて、運気は絶頂に思えていた、…のに。 前 次 表紙へ |