今朝の正座占いは、もう何週間も見ることがなかった一の字で自分の正座が煌びやかに飾られてあった。内容に関しては、"気になるあの子と…"やら、"捜し物が見つかる日!"やら、全く心当たりの無いことであったので、歯を磨きながらすぐにテレビ画面から目を逸らし、洗面所へ向かった記憶がある。そんなこんなで、今日も代わり映えのない日を過ごすのだろうと思って通学。今はヒステリーな先生の教える、一限目の数学が終わったところだ。

「アシタバ、宿題やった?」

「あ、藤くん。残念ながら…」

「だよな。じゃ、寝てくるわ」

そう言って保健室へ行く友人を見送るのもいつものこと。と、その時、自分の足下に、見覚えのあるペンが転がっていた。(これは確か、花巻さんの)

ガタリと席を立ってペンの持ち主の元に行くも、彼女はノートを必死に音読しているようでこちらに気づかない。

「…あ、あの。花巻さん」

「先生からの質問には落ち着いて答える…ぶつぶつ…」

「花巻さん!」

「ふわ!? すっ、すみません」

慌ててノートを閉じ、こちらに注目した花巻さんは、恥ずかしそうに顔を赤らめていた。

「これ落ちてたよ」

「あっ、これ…探してたの!あ、ありがとう!」

「そうなんだ! 良かったよ拾って」

喜ぶ彼女につられて喜んでいると、ぽかぽかと暖かな気持ちになってきて。もしかしたら、占いは当たったのかもしれないと思った。気になるあの子は、案外近くにいたものだ。


:: 明日葉くんの一日


明日葉誕生日

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