「ねえ、先生」

いつも話しかけるのは私の方ばかりなの。どうして? 先生。先生が知らなくて私が知っていることは少ないけど、私が知らなくて先生が知っていることは沢山あるでしょう。だからね、その中の一粒だけでも話の種として植えてくれたなら、私は飛びついてその種を育むよ。それとも、病魔といつも闘う先生を、私の力で守ってあげましょうか?

それでもいいんだけれど、いいんだけれど。

「僕なら君を助けられる」

あの言葉を聞いてしまってから、私は先生に守られている、あの感覚が癖になっちゃった。だからどうか、私に話しかけて、守って、先生の前ではか弱い女の子でいさせてください。


:: ねえ、先生

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