ぶちっぶちっ

「しし、何してんの?」

「………薔薇、採ってるの」

一面薔薇畑の場所にしゃがみこみ、せっせと薔薇をちぎりとっているパンテーラ。すっと隣にしゃがみ込むと、ぷいっと違う方を向き、また薔薇をちぎり出す。

「隣座っただけで照れるなっつの」

「………違う」

その時。パンテーラが一瞬息を飲んだかと思うと、その細く白い指につたう赤い液体。

「あーあ、薔薇の棘には気をつけろって言うじゃん」

「…うるさ……、!?」

うるさい、と言うはずだったパンテーラの口は、ベルが指を舐めたことで途中で引っ込んだ。

「ー!」

「うしし、ほっぺ真っ赤にしちゃって。かわいー」

引きつけられるように、ベルは薔薇色の頬に口づけをひとつ。


:: 薔薇色の頬に口づけを


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