俺はとりあえず名前を呼び続けた。

「ギャモン!おいギャモン!!」

怖くなって何度も名前を繰り返していると不意にギャモンの目蓋が確かに震え、小さく呻き声が聞こえた。

「ギャモン!」

は、と息を呑む。伺うようにゆっくりと目を開けるギャモンを見てやっと俺は安堵した。

「いって…」

「おい、ギャモン!」

「……カイト?あー、何だこれ頭痛ぇ」

とりあえず無事だったみたいだ。ギャモンが頑丈で助かった。ほっと安堵しているとギャモンが訝しげにこちらを見た。

「なんでお前がいんだよ」

どうやら何故こんな状況になったのか、急すぎてギャモンは覚えていない、というか俺の姿さえ確認できていなかったかもしれない。


何て答えよう…。
「ギャモン、実は…」
 と本当のことを話す。
自分が原因で倒れたことは隠す。