ノノハ誕(ギャノノベース)


※ギャノノベースですが若干ノノハ愛されな感じもしなくもない
※これはNLです、おホモではありません、すみません、男の子と女の子です、すみません





今日は私の誕生日だ。
そう気付いたのは廊下でたまたま出会ったアナが私に抱き付いておめでとうと言ってきてくれたからだ。登校してすぐのことだった。
これで1つお姉さんになったねー、と笑うアナの表情に私もつられて自然と笑顔になる。アナ、ノノハの笑顔大好き。手のひらで頬を両側から挟まれる。私もアナにおんなじことをして私もアナの笑顔が大好きだよ、と一緒に笑い合った。
それじゃあまたねー、と元気の良くその場を後にするアナを見送った後にギャモンくんの姿を見付けた。ギャモンくんは最初から私に気が付いていたようで、目が合うとすぐにこちらへ近付いてきた。

「よ、ようノノハ!お……お、はよう」

「おはよ、ギャモンくん」

ギャモンくんはどこかぎこちなく挨拶をするとあちこちに視線を泳がせ始めた。この仕草、私と話す時には結構するのだけれど、どうしたのだろうか。

「ギャモンくん?」

「ノノハ!その……お、お、お」

いきなり、お、だけを連呼された。

「おっおっお?」

アシカの真似かな。と思って復唱してみるとどうやら違うみたいで、ギャモンくんは激しく首を横に振った。

「お……お……お…」

「やっぱりアシカの真似?」

「そ、そんなんじゃねぇ!」

そうじゃない、と否定されたものの。何をしているのか私には分からない。だからずっと何なのかな、と思って首を傾げていた。

「……もういい!悪いな、それじゃ!」

すると突然ギャモンくんが大声を上げた。どういうこと、なんて聞く暇もなく逃げるように廊下を走っていってしまった。
どうしたんだろう。
今日のギャモンくんは、いつもよりちょっとだけ変だ。





お昼はカイトがご飯を奢ってくれた。誕生日だし好きなだけ食えよ、と言って机一杯に食堂のメニューを並べられて私は少し困ってしまった。私、こんなに食べられないよ。そう言ったらお前が残したら俺が食うからと返してさっそく目の前のコロッケを1つ口に放り込んでいた。まだ私、食べてないのに。それにカイトは称号持ちなのだからいくら頼んでも学食はタダ。お金掛かってないじゃない。別に、お金なんて関係ないんだけど。
私がミートソースのスパゲッティに手を付けると、不意に横からおめでとうと聞こえた。間違いなくカイトからだった。素直じゃないカイトがまさか直接お祝いの言葉を言ってくれるとは思っていなかった。だから嬉しくなっていたずらしてやろうと、なぁに。と聞き返した。そうしたら二回も言ってやるつもりはないって返された。
本当に、素直じゃないんだから。
そしてお昼休みも終わる頃、私はまたギャモンくんに会った。

「ノノハ!」

ギャモンくんが私の名前を呼ぶ時、大体いつも妙に気合いがこもっていてなんだか可笑しいななんて思ってしまう。

「お……お……お!お!」

まただ。またアシカの真似だ。一体どうしたって言うんだろう。今日のギャモンくんはこればっかりだ。珍しいことじゃないんだけど、顔も真っ赤だ。
そこで私は、あることに気がついた。どうしてこう、しつこく、私を呼び止めては謎の行動を取るのか。
そういえば朝会った時も、私はこの言葉を言ってあげていなかった。

「ギャモンくん」

「お!…………は、はい?」

「うんうん、似てる似てる」

私が笑顔で言ってあげる。誉めてほしかったのだ、ギャモンくんは。と思っていたら、彼はいきなり膝を折って床に手をついた。

「違う……だから……アシカの物真似とかじゃねぇから……!」

え、違うの。
無意識にそう言ってしまったらギャモンくんはなんとも切ない顔をする、そして肩を落として歩いて行った。悪いこと、しちゃったのかな。いや、でも。私は未だにギャモンくんが何をしたかったのかが分からない。分からないことにはどうすることもできない。
次に会ったら、直接聞いてみようかな。





授業も全て終わって、荷物をまとめている時にキューちゃんがわざわざ高等部の教室に来てくれた。
どうしたの、と私が聞くとキューちゃんは顔を赤くしてそれから急にもじもじとし始めた。

「ノノハ、その……お……お……」

その言葉に私はあれ、と思った。どこかで聞いたことがあるなだなんて考えてみたら、今日のギャモンくんと一緒だった。
もしかしてアシカの真似って流行ってるの。なんて聞こうと思っていたけど、私が聞くより先にキューちゃんは答えを自分から口にしてくれた。

「お、おめでとうノノハ!」

「え?」

誕生日おめでとう、ノノハ。
キューちゃんはもう一度言ってくれた。
おめでとう、だって。おめでとう。
心の中で繰り返す、おめでとう。
そっか。そうだったんだ。
お、はおめでとうの『お』だったんだ。
用はそれだけだから。キューちゃんが慌てて私に背を向けて去っていこうとする。だから私はその背中に向かってありがとうと声を掛けた。キューちゃんは一度止まってから私に向き直って、嬉しそうに笑うとじゃあねノノハと手を大きく振って帰っていった。
手を振り返した。その後に、なんだ簡単じゃないと一人納得する。
朝会った時も、昼に会った時も。全部全部、私に伝えようとしてくれていたこと。
パズルよりも簡単に導き出せる答え。ああ、どうして今まで気付かなかったんだろう。





校舎を出るとギャモンくんがいた。そんな予感はしていたからあんまり驚かなかった。
ノノハ、と言われて素直に向かい合う。
私は、彼に何を言うかもう決めていた。

「お前に……その……言いたくて……」

「うん」

さっきまで普通にしていたのにまた顔が赤く染まっていく。その理由が分かってしまうとなんだか微笑ましくなる。

「お……お……お……お」

お。その単語のみを発してすぐに口をつぐんでしまうギャモンくん。しばらくは待っていてあげようと思っていたのだけれど、私は耐えきれずに自分から口を開いてしまう。

「ありがとう」

その言葉にギャモンくんが私を見詰めた。

「ありがとう。ちゃんと伝わったよ」

朝からずっとずっと言えないだなんて。どれだけ恥ずかしかったのだろう。いや。どれだけ、その言葉を大事に扱っていてくれたのだろう。
ギャモンくんはしばらく固まったまま私を凝視してから、ほんの一瞬すごく情けない顔をした。泣き崩れる前の、くしゃくしゃの顔。でもそれは本当に一瞬で、気が付いた時にはギャモンくんが私を抱き締めていた。

「おめでとうございます!」

聞こえてきたのは、まるで魚屋さんの掛け声のように威勢の良い声だった。おかしくて、楽しくて、私は声を出して笑ってしまった。ありがとう、ありがとう、と笑いながら伝える。ギャモンくんが私の肩に手を置いて、ゆっくりと身体を離す。彼も、照れ臭そうに笑っていた。

「ほ、ほんとに……その……。おめでとう」

お祝いの言葉を口にするギャモンくんの顔はすごく幸せそうだった。おめでとう、そのたった一言に、彼は色々な想いを詰め込んで私に精一杯伝えてくれたのだろう。そう思うと、私だって幸せな気持ちになる。
彼が私にくれた、短い言葉をしっかりと噛み締めて。それから私はもう一度言った。

「ありがとう」

ちゃんと、想いは伝わってるよ。








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ノノハ誕生日おめでとう!!
昨日だけど(現在02/02)wwwwww
昨夜に一時間程度でざっと書き上げたものですがせっかく書いたのであっぷしました。見返した時は誤字が酷かったです、まだあるんじゃないかとびくびくしています実はwwww

ギャノノはとことん少女漫画とか狙ったような王道とかひたすら幸せな話とか、なんかそういう感じのが好きです。思いっきりかわいい感じの話が似合うと思うというかそんなのだと私が嬉しいってだけです。

ノノハは天然な部分がありつつもしっかりとギャモンくんを引っ張っていってくれるんじゃないかと思う。そんな男前ノノハさんに情けなくなってたまぁに男らしくなるけど基本ドヘタレなギャモンくん、そんなギャノノが私のイメージの1つにあるのでそのまんま書きました、何も考えずに書きました、楽しかったです!ノノハ誕生日おめでとう!!ほんとにおめでとう!!

ホモばっかのサイトにNL置いてすみませんでした!これからも書いちゃうかもしれないですほんとすみません!!!!