ダイギャ3連続


01

ぺらっと薄っぺらい笑みが浮かんだ顔を見て何だか無性にいらいらした。誰にでもそんな態度で愛想を振り撒いて。偉い奴にはとことん胡麻擂り、目下の奴はとことん見下す。ふらふらふらふら、擦り寄ってきたかと思えば気紛れに何処かへ行ったり。
どうしてもここに捕まえておきたかった。遠くへ離れていく度に、苛々と虚しさでいてもたってもいられなくなる。そんな思いはもうごめんだった。
いつもの苛つく顔を掴んで歯がぶち当たるくらいに豪快な接吻を一発。
驚くそいつの目を見て俺は言ってやった。

「少しは1人の人間にマジになってみろよ」

「…落ちた…」

これが俺たちの馴れ初めである。



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ギャモンの豪快キッスで始まるダイギャ^^
キスからデートからエロスから何から何まで全てギャモンくんがリードします。そんな男前受けなギャモンっていいよね。もはやこれギャダイwwwww






02

彼は脚が長い。俺より長い。俺だって背は低くないし、ましてや短足ってわけでもない。でも彼には敵わないんだよなぁ、それがなんかちょっと腹立たしいんだけど。
だから彼が大股開きで歩くのを俺はいそいそと追いかける。

「好きだ!」

そう言いながら。

「寝言ってのはな、寝てから言うもんなんだぜ」

うんざりしながらそう返す彼は逃げるように早足で歩いていく。それに対して俺はもう小走り状態だ。

「ちょ、ちょっと待ってよ!そんなに冷たくすんなよぉ」

「ついてくんじゃねぇよ」

「何でさ!せっかく俺が愛の告白しちゃってんのにその態度!」

大きく両手を広げて首を振り落胆の意思を表す俺を彼がちらりと見て明らかに嫌そうな表情でため息をついた。

「お前…うっそくせぇんだよなぁ」

「嘘だぁ!何で!好きだよギャモンちゃんのこと!!」

彼の言葉に必死で答えてみるも、彼はどうにも信じられないようだ。

「勝手に言ってろ」

そう言ってから歩くスピードを上げようとする彼に俺は焦った。だから俺は夢中で彼の手を取る。驚いて彼が振り向く。

「好きだ」

一言。
彼の目がまあるく見開かれる。

「勝手に言うよ、もう何回でも言うよ。だから、」

ふたりきりの空間でこうして真剣に向き合うのはもしかして初めてなのかもしれない。

「好きだ。信じて」

彼の手がびくんと大きく震えた。彼が頬を染めたのが見えて俺の心が震えた。



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ダイスマンてからかいで好きとか普通に言いそう。だからギャモンくんはダイスマンの言うこと普段から嘘くせーとか思ってそうw






03

まだ日が昇らぬ暗い時分。ふと目をあけるとあどけない寝顔の彼がいた。俺と対峙する度に刻まれる眉根の皺もなく穏やかな顔にくたりと垂れた赤い前髪が掛かっている。そっと指先で避けてやるとううんと唸って身動ぐ彼。起こしたか、と思えばまた静かに寝息を立て初めて俺はほっとする。
彼の眉根がきゅう、と寄せられていく。どうした?

「ぁー…つ化粧め…」

あ、つ化粧。厚化粧、ってもしかすると俺のことなんだろうか。俺だってそりゃあ一応はPOGのそれなりの地位の人間だから彼のことを調べた際の情報はちゃんと俺の耳にも入っている。しかし彼にそんな厚化粧の知り合いだなんていなかった気がする。香水臭い金持ちの若作りなマダムと知り合いだとかどっかのサーカス団と深交があるだとかいうことも聞いたことがない。そうなると彼の言う厚化粧なんて、残念ながら俺しか思い当たらない訳だ。
つうか厚化粧めって何さ、「め」って。俺ってばそんなに彼に酷い印象を与えているのだろうか。少なくとも昨日だってこうして身体を許してくれているのだというのに。あれそれって十分ひどいことしてることになるのか。あの厚化粧め、いつも濃いメイクしやがって、とかそんなこと思われてんだろうか。そんなに濃いか、俺。ああ、濃いわ。
うんうん唸りながら厚化粧と繰り返す彼の顔を至近距離で見つめながらいい加減その頬をひっぱたいてやろうかと思った時だった。俺は息を呑んだ。

「ふ、…ばぁーっか…」

笑った。
ふわ、と綻んだ彼の顔に呆気に取られる。にしても馬鹿って。何だよどんな夢見てんだよコイツ。
どうしようもなくて、どうしてやることもできなくて。柄にもなくときめいて、でも所詮この無邪気な笑顔は俺に向けられていても好意なんかではないのだ。身体を許した関係でもこれ以上は許されない。
頬に優しく手を添える。今からでも、彼を優しく抱いてあげたら何かが変わるのだろうか。

「好きだよ。……ばぁーか」

道化になりきれない。俺って馬鹿だね。



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分かりにくいけど事後(笑)
身体だけの関係ダイギャ。でも本気になるダイスマンww
これ…ギャモンくんの方はどう思ってんだろうなぁw