素晴らしき朝


じわじわ、そんな音がぴたりと当てはまる今日の天気。
夏の始まりを迎え、いよいよこの季節がやって来たのだと実感する。
「今日もあちーな、」
「まあ、これからだしな」
監督に用事があるらしく、何時もより15分も早く朝練を終え部室で着替えながら、ヤノジュンといつもの何気ない会話を紡ぐ。
「そういや、公って今日誕生日だよな?」
「おぉ…、今年も千本ノックやんのかな」
ふは、とヤノジュンが思い出したかのように笑う。
「監督、あれ好きだもんなー」
「あれ、いつからあんだろな」
「聞いた話によると今のOB会長の頃には既にあったんだってさ」
「うわっ、流石伝統ある我が野球部だな」
「でた、あの人いっつも言うよな」
扉を開けると、ムアッと熱気が流れ込む。
今年は雨が少ないなあ、
「公!」
突然名前を呼ばれて振り向くと其処にはここにいるはずのない、セーラー服姿の茉莉子が。
「茉莉子?!こんなとこで何してんだよ!!」
俺先行くわ、とヤノジュンの声が聞こえた気がした。
なんで、茉莉子がここに、
「…迷惑、だった?」
少し不安そうに呟く茉莉子。
下を向いていじけたように靴で土を弄る姿は本当に可愛い。
「――いや、迷惑とかじゃなくて…、正直嬉しいけど」
「ほん、と?」
ぱっと顔を上げ、少し幼く見える笑顔を俺に向ける。
少し紅潮した頬と潤んだ瞳が暫く会っていなかった俺には少し気持ちを押さえることが難しい。
折角の、誕生日なんだ。
そのまま茉莉子を胸の中に閉じ込める。
小柄なその体はすっぽりと収まる。
茉莉子の体温を全身で感じることができる。
益々、愛しいという気持ちは増すばかり。
ふふ、と茉莉子が少し嬉しそうに声をあげた。
「公、お誕生日おめでとう。
―――生まれて来てくれて、ありがとう」




素晴らしき朝





■□■
公ちゃん、お誕生日おめでとう!!!
男前なあなたが大好きです!!!^^
一応設定的には朝練終了(8時頃)→着替え(10分くらい)→いちゃこきです笑
ちなみに茉莉子ちゃんは学校行事で朝が少し遅めだったということで、←
この後公ちゃんはちょっと遅刻しかけで教室入って匠にからかわれれば良いと思います笑
それではありがとうございました!!!
2010.06.09 季祐



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