電気が付いてない。
せっかく一万体目を祝してケーキ買ってきてあげたのに、もしかして寝てる?
靴を脱いでリビングに進む。
リビングにもいなかったので、私のふかふかベッドで寝てるんだろうな。
寝室に入って電気をつけると案の定彼は寝ていた。
おいそこ私の寝床だっつの!
「おっきろー!」
「っる、せっ」
「今日でいちまんたいめですって」
「だからどうした」
「折り返し地点記念、あと半分でレベル6なんだから頑張ってくださいな」
「長ぇえな」
リビングの電気をつけて、テレビもつけて、ちょっとは場を賑やかにしてみる。
そうでないと彼と私の間に沈黙がうまれるから虚しくなる。
「台所からフォークとお皿持ってきて」
「めんどくせー」
「おま、そんくらいしろよ!」
「へーへー」
渋々席を立った彼。
その間にケーキを出して、どれを食べようか迷っていると間もなくして戻ってきた。
「俺チーズ」
「あ、ちょっと!それ私も食べたいんだから半分こにしてよ」
「お前はコーヒーをよろしく」
「お湯と豆の比1:9にしてやる」
「まじ無理」
「ふは、嘘だよ」
今度は私が席を立ってコーヒーを運ぶ番だった。
ケーキはとあるお店のもので、中々美味しいと評判の所だ。
ただ、営業時間が少し特殊でナイトストアと言う店名に相応しく、夜10時〜2時までという。
そこで全種類一つずつを購入してきた。
彼にこれといった好き嫌いは無いし、余ったら余ったで何とかなることも私は知っていたから、後の事は気にせず大金をレジにはたいてきたのだ。
「あ、あーっ!!!私のチーズゥウウ!」
「まあまあだったな」
「うぜぇえええ!」
なんと、私がコーヒーを淹れている間にチーズケーキを全部食らっていやがった。
のくせに感想はまあまあと来たもんだ。
刺していいかな、画ビョウかなんかで。
「だって俺のためなンだろ?」
「……」
「女の子がしていい顔かよ、それ……」
眉間にしわを寄せて思いきり睨み付ける。
中指を立てるのも忘れてはならない。
そんな女の子の楽しみを奪ったのはどこのどいつだブァァァカ!!!