御坂 美琴のコピーを何体も何体も殺している親友がいる。
それはレベル5からレベル6に到達したいがための実験。
その為に彼は毎晩毎晩シスターズを殺している。
苦しくならないの?
と過去に一度聞いたことがあるけど彼はいやらしく笑ってむしろ楽しいと言っていた。
ほんとに?
そう声に出そうか迷って、やめた。
シスターズを殺す前の彼はいつも切なそうな表情をしていたから、聞いてしまえば彼はまた強がって自分を隠そうとしてしまうから。
今日の殺しが終わった。
彼はシスターズが死んだのを確認して、踵を返す。
すれ違い様に鍵をぶら下げて彼に聞いた。
「…家来る?」
「っ寄越せ」
鍵を引ったくる彼に、声を出さずに笑った。
しばらく死体を見ていると、別の御坂美琴がやってきた。
「こんばんは」
「こんばんは、とミサカは挨拶をしました」
ぬちゃり。
血溜まりを踏んでしまった。
あちゃー、あとで落とさないと。
「今日で何体目だっけ?」
「今日死んだこの御坂はナンバー10000ですとミサカは教えます」
寝袋に死体を入れるシスターズを見て、ふーんと相槌をうった。
入れ終わった寝袋を担ぐシスターズは私に一礼してどこかに行った。
私も帰ろう。
彼が待ってる。