朝起きたらタオルケットが掛けられていた………なんて配慮は彼には無い。
大方まだ寝てるだろうよ私のベッドで。
チクショーたまには朝ごはん作ってみやがれっての!!

しょうがないからトーストとサラダだけ用意して、自分もそれを食らう前に一方通行を起こしに自分の寝室に来たのだが彼は既にいなかった。
…あれ、トースト勿体無い。
どこ行ったんだろ、ってかいつ出たんだろ。

一方通行が勝手に家を出ていく事はよくあるので別に気にしたりはしてなかった。
嫌な予感がする…!と、過去に彼を探し回った記憶が引っ張りあげられる。

見付けたとき一方通行は一対多数で喧嘩をしていた。
さすがに彼の能力に叶うものはおらず、圧勝だったのだが。
そして平淡な顔でお前何してんの?と言われた時はぶん殴ったろかと本気で思った。
そしたら自分に返ってくるのは確実なので辞めたが。
心配して探しに来た、と言えば目を丸くした彼の顔が思い出される。
ああ懐かしい。
こんな出来事が過去何度もあったのでもう気にしなくなった。

今日はショッピングでも行きますか。



しばらく歩き回って疲れたのでその辺のお店に入って休憩をしていると、青い髪色が見えた。


「あ、おがみだ。何してんのこんなところで」

「あー名字ちゃんやー!可愛ぇ可愛ぇ私服ちょーっ可愛ぇわー!」

「初めまして土御門元春っていうにゃー」

「土御門くんね。青髪ピアスの知り合いの名字名前です。どもー」


煩い青髪はスルー。
というか聞き間違いだと信じたい。
なぜか今見た目にそぐわぬ可愛いらしい語尾が聞こえたからだ。
金髪グラサンで胸元をさらけ出して声までかっこよい人がにゃーなんて言うわけないよね。
聞き間違いですよね。わかります。


「俺たちはナンパ中ー。名字ちゃん引っかかってくれるー?暇なんやろ?」

「えー?むり、わたしこれから帰宅」

「えぇーつれへんなあ」

「それじゃあ今度はご一緒させてくれや。またにゃー名字ー」


聞き間違いじゃなかった…!







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -