8月19日。
あーあとちょっとで学校始まると思うととても憂鬱だ。
「君は自由で良いですねー」
「どこが」
「ご飯食べるだけ食べて、寝たいときに寝て、動物みたい。私もそんな生活したい」
「あァ?お前ブン殴んぞ」
一方通行は孤独で苦痛な環境で育ってきた人だ。
私には両親も(住んでる所は遠いけど)いるし辛い過去なんて1つもない。
お互いに正反対の位置にいた遠い存在だったのだが、こうして同居(というより、彼の場合は居候)している。
世の中何があるか解ったもんじゃないから不思議よねぇ…。
「そーでしたっ。環境の違いですねはい私が悪かったですプギャー」
「髪の毛毟ンぞ」
「まじでーうけるー…、まじすんませんっした。アクセラさん顔がマジっす」
「ンな事ばっか言ってるとその内まじでひん剥くからな」
アクセラはソファーの背もたれに体重をかけてテレビのチャンネルを回している。
少しだけムカついて缶コーヒーを投げればナイスキャッチしてくれた。
「ちっくしょうっ、仕草がいちいちかっこいいんだよぉおおおお!!!」
「お前はいちいちうるせぇな」
いらっとして、私もシュークリームとカフェラテを持って彼の隣に座った。
また甘いものかよ信じらんねーという目を向けてくる彼に、うわあまたコーヒーかよまじ胃に悪くね?という目でガンつけたら軽く小突かれた。
「どうせ「コーヒー中毒者ワラ」とか思ってたんだろ」
「なにそれ思ってないよ偏見だよ!」
テレビ画面が見たい番組に切り替わったので私は視線をアクセラからテレビに移した。
しばらくして彼はコーヒーをゆっくり飲み干し、席を立った。
空き缶を我が家規定の場所に入れる音がした。
ああ、彼はきっとまた私のベッドで寝るんだろうなあ…。
冬は温いけど夏は暑苦しいだけなんだよね、めんどくさいし今日は私ソファーで寝ようかな。