「誰でしたっけ?」
「おお、お前さんはワシの事知らんのじゃったな。アルバス・ダンブルドアじゃ」


ついてきなさいとこの老人に言われ、素直に後ろをついて行く私だが、流石に名前も知らない人と行動するのは気が引けた。

どこかで見たことあるんだよなあああ。
その肝心な事が思い出せない。
どこだったかなあ?


アルバス・ダンブルドア。
ホグワーツ。


「あ!!!」


わかった、わかったよ思い出した、思い出したよハリーポッターじゃん!!!
私そんな所にトリップしたのかよどんだけっすかまじで!
確かに昔はフクロウから手紙来ないかなぁなんてあいたたたたな事を考えていたが、まさかトリップするとは思ってもみなかった!


「どうかしたかの?」
「ああ…いや、別に何でも無いです」


ダンブルドア校長が振り向いて問いかけたが「トリップしました☆」なんて言えなかった。

どこぞの馬鹿のように初対面でいきなり「信じてほしいんだけど、あたし異世界から来たの(オプションで涙キラリ)」なんで出来ない出来ない。
無理無理。
それなんて罰ゲーム?てかだいたい私そんな乙女じゃないし、器量も持ち合わせてないしね!

そんなこんなで歩いて、恐らく校長室にたどり着いた。


「お主はまずシャワーでも浴びてきなさい。落ち着くことじゃろう」


とダンブルドア校長はおっしゃり、ご丁寧に地図を寄越してくれた。
正直とてもありがたい。
だって昨日からずっとこの格好のままなのだ。
流石に人としてきつい。

因みにシャワールームは馬鹿でも分かる簡単な場所にあった。

ゆっくり丁寧に体の汚れを落としてあがると、そこにはご丁寧に綺麗な着替えがあった。
……下着に関しては魔法とかいう便利なもので解決してくれたに違いない。
別にそんなことで恥ずかしいと思うほどシャイではないのだし。
素直にそれに腕を通して、また校長室へと戻った。


「シャワー、ありがとうございました」
「ホッホッホ、どういたしまして。お主ももう疲れているじゃろう、今夜はもう眠ると良いぞ」


それも素直にありがたいです。
詳しい話うんぬんより私の体や脳みそは今休息を求めている。
眠たい。
ようやく、ここにきて安心感でも出来たのだろうか、シャワーで暖まったおかげなのか、一日中歩いていたからなのか。

きっとすべてだろう。

体も心もぽかぽかしている、が、倦怠感が肩や足にあるのも確かだ。
また馬鹿でも分かる地図をいただいて、医務室らしきところで寝ても良いということになった。
医務室の先生は私の事を知っているそうで、ゆっくり休んでねと声をかけられた。
仕切りのカーテンがしまる。


「おやすみなさい」


ぐっんない。
医務室の先生は素敵なひとだ。

私は、疲れやなんやらで直ぐに意識が飛んだ。



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