起きたら丸一日経っていた。
記憶が飛んでいると思ったら、随分と長い時間眠っていたらしい。

リリーさんに謝らなければ、と思いベッドから出ようとすると久しぶりすぎたのか自分の体は面白いくらいきしんでいた。

そういえばやけにぐっすり眠れた。
普段は寝過ぎて頭が痛くなってすぐ起きるのに。
そんなに寝ていたかったのだろうか。

なんとか部屋を出て、階段にでる。
三段くらい降りたら談話室から誰かに呼ばれた。

「ナマエ!」

リリーさんが階段をかけあがってきて、続けてジェームズとシリウスくんがあがってきた。

リリーさんに謝らなきゃ。

「ん?」

かくん、と視界が下がった。
と、思った瞬間に頭を打った。
なんの構えもしてなかった私は、思いっきりぶつけた。
脳が揺れた。

ここで思考はストップ。

「ちょっとなんであなたたちも階段あがったの!」
「ごめんリリー!わざとじゃないんだ!僕も彼女が心配で!」
「だからって私達がいるときに登って来なくたって良いでしょう!」

つまり、男子が女子寮への階段を登ろうとしたら坂になる、というのが今身をもって体験できたわけだ。

やべぇがちで頭痛い。

「とりあえず、くたばれジェームズ」

元気になったと言えば元気になった。






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