「だからナイフの持ち方から違うんだっつの」

そう言われ、またナイフを取り上げられた。
薬学なう。
なんて呟きたい、いやシャウトしたい気分だ。
私のストレス発散方法はカラオケで、カラオケに行きたいと思ったときにはストレスが溜まっていると言う事だ。

今、とてもイライラしている。

しかしだからと言って私と組んでくれているシリウスくんにはキレられない。
そんなことをしたら逆ギレもいいとこだ。

「ナマエの持ち方は三歳児のフォークの持ち方だな」
「シリウスくんのその綺麗な面たまに殴りたくなるのはなんでだろうな」
「は?なにストレス溜めてんだよ。発散するなら俺じゃなくてジェームズにしろよ」
「聞こえてるよパッドフット!」

ジェームズがくしゃくしゃにまるめた紙をシリウスくんにヒットさせた。
それに鼻で笑ったらシリウスくんに軽く殴られた。
パパにも殴られたことないのに!と頬を押さえて泣き真似をしてみた。
そしてそれは嘘だ。
殴られたことなんて何度かある。

「悪い…」

本気で謝るシリウスくんに面食らった。
ここでネタばらしをしたら確実にシリウスくんに怒られるであろう。
だがしかし言わずにはいられなかった。

「うっそぴょーん!」

そう言った瞬間にシリウスくんが持っていたモザイクものの物体Aが潰されて、肉片やらがそこら辺に飛び散った。

「ナマエ、お前ちょっとくたばれ」
「すみませんでした…」

シリウスくんまじになると怖いと言うのを学んだ。
また一つ賢くなってしまった…。
飛び散ったものを片付ける際にジェームズと目があい、彼はグッジョブとでも言うように親指を立てて(下じゃなくて上に)笑っていた。
なにあれすごく、ムカつく笑顔。





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