動く階段をタイミングよく登っていって教室に着いた。
恐怖の意味を教えてくれないリリーさんのせいで私はビクビクしっぱなしで授業を受けていけど、そんなでもなかった。

むしろ皆自由にやっていて、授業中に紙を回したりなどしていたり喋ったり。
シリウスくんとジェームズも一緒の授業選択だったのだが、他の友達とわいわいがやがやしていた。

そのフリーダムさにカルチャーショックを受けた私はその事をリリーさんに伝えた。


「ナマエの居た所はどんな感じなの?」


そしたら逆に質問が返ってきた。


「授業を妨害するほどの荒れは無かったよ」
「羨ましいわ」
「こっちの人って本当に自由だもんね」
「自由過ぎて私は困るわ」


リリーさんから疲労オーラが漂ってくる。
しっかり者は大変だ。
と言うかとても損な気がする。
弱音を吐きたくても吐けなくて、溜め込みすぎていつかバーンとなってしまうんじゃないか。


「よし、私に愚痴れ!」


深くため息をつくリリーさんにそう言ったら直ぐ様談話室に連行された。
話を聞くこと二時間。
長かった…。

彼女の第一印象は強引な人だったけど、今の印象は忙しい人になった。







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