目が覚めた。
一晩も寝ると、頭の中が大分スッキリしていた。
なんでだろう。
寝ている間に記憶の整理でもされたかな。
睡眠ってそういうもんだし。
時間が知りたくて時計を探したが、近くにはないようだった。
…よしあと五分。
「ミスミョウジ。起きてるかの?」
「うーいえす」
ちっ、良いタイミングで来てくださったな校長め。
カーテンを開けられた。
昨日と同じ顔がそこにある。
体を起こして、長い白い髭の校長を見た。
白い髭がバナナみたいた形だったら白ひげとかオヤジって呼ぶのにな、とどーでも良いことを考えた。
「おはよう、良く眠れたかの?」
「おはようございます。睡眠に関してはあと二時間はいけます」
もう少し寝ていたかったというのを伝えたつもりだったのだが、どうやら彼には伝わらなかったらしい。
そうかそうか、と満足げに微笑んでいる。
うわあいい人だ。
「お腹の方はどうじゃ?」
「え?」
自分のお腹をちらりと見た。
そのあとまたダンブルドア校長の顔を見る。
「ぜい肉祭りですね」
「ホッホッホッそう意味じゃのうての。お腹は空いとるか?」
「ああ、そっちね。減ってます!」
「よい返事じゃ。豪華な食事を用意しとる」
「まじすか!私今パスタ食いたいです!」
「残念じゃかイタリアンは出ないぞ」
…。
ちくしょうこれだからイギリスは!
軽く身だしなみを整えてから、医務室を出て、飯が食える!ひゃっほう!
と気軽にダンブルドアに着いていったらそこはなんと大広間で し た 。
「はっ!?」
大きな音を立てて入ったダンブルドアに注目したみんなは、次に奇妙な声をあげた私に注目した。
しかもほとんどのみんなの顔がぽかーんとしている。
私も私でぽかーんとしている。
お互いにぽかーんとしたまぬけな状況で、先に覚醒したのは私だった。
「あっでゅー!」
自分なりに爽やか(人からしたらきもやか)な顔で元来た道を辿り、廊下を走る。
そしてある程度走ってから止まった。
今の何?
人だったね。
どんな状況?
一対多数だったね。
私は?
ミョウジナマエ。
うん。
で、今の何?