「なまえちゃーん、ちょい来て」

達海さんに呼ばれた。
なんだと思って駆け寄ると、ほいとメモを渡された。

「買い出しですか?」
「おお、察しが良くて助かるねえ。行ってきてくれるー?」
「あ、はい。わかりました」
「金は広報部から出るから領収書持って帰ってこい、な?」

そう言って笑顔を見せてくれた達海さん。
いい人なのはなんとなく分かったけど、この人には逆らえない。
もともと逆らうつもりだったらまずここには来ないけれども。

「……うあ」
「どしたよ」
「私の財布寒いんで先払いが良いです」
「学生だもんな」
「はい」
「じゃあ先に広報部行ってきて説明してこい。直ぐに経費の一万や十万払ってくれっから」
「……広報部行ってきます」

軽く走って、広報部を目指す。

その途中メンバーの何人かとすれ違った。選手との接触は全然無い。
私がヘマして機嫌を損ねられても責任は負えないからだ。
それなら最初から関わらない。
賢い考えである。




「ん?」
「どーしたよ」
「今なんかやけに若い子いなかったか?」
「あ、それあれだろ。雑用とかやってる高校生が入ったとか言ってた奴」
「高校生って……、最近の若い奴ってしっかりしてるよな」
「オッサンか」
「まあ十代からしたら俺らはオッサンだろうな」
「俺はまだお兄さんですけど」
「てめぇ!赤崎!」




なんか後ろで大声が聞こえた。
なにここ怖い。




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