18の、夏。

なんだかよく解らない内に、サッカー界では有名な人と知り合いになっていた。

「こいつならいくらでもコキ使って構わないから」
「あーそう?悪いねえなまえちゃん。これからよろしく」
「…はあ」

監督さんと握手する。
両親は別にサッカーが好きな訳では無いし私もサッカーは興味無い。
それにどちらかと言えば野球が好きだ。
うちの学校の野球部は弱いから甲子園なんて到底たどり着けないけど。
それでも私は高校野球が好きで、うっかりマネージャーになんかなってしまったのだ。
ついでに、甲子園の予選二回戦で敗退した。
私ら三年生は既に受験へとシフトしている。
夏休みは遊ぼうなんて言っていた時期が懐かしいぐらいだ。

それなのに……何故。

「待って!私の卒業がかかってるのに!」
「まあ本当にヤバくなったらお前をフランスに留学させるから、しっかり腕磨いてこいよ」
「そーゆう問題じゃなくて!!私サッカー全然知らな、!」
「どうせお前に任されてるのは雑用だ。掃除したり、買い出ししたりしか無いから」
「なまえちゃん免許持ってるんだろ?助かるわー足が居て」

つまり雑用をこなせと。
おいクソオヤジ、私の学生生活最後の夏を雑用で過ごすなんていいと思ってるのか。

ぐちぐちオヤジと口論を交わした後、「車は貸してやんよ☆」と父は帰っていった。
え、ガチかよ。

「たつみさん…?でしたっけ?」
「うん」
「良いんですか?高校生なんかが」
「んーまあ短期のアルバイトだと思って。大丈夫、選手とかと絡む機会はねーから」
「は、い………」

正直やる気がしません。




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