今日の昼食は唐揚げ定食だ。
それを持って適当な席につくと、選手の人達がぞろぞろと入ってきた。

「おはようございますー」
「お、さっきぶりー」
「おはよー」
「あっ、なまえちゃんっ」
「椿さんおはようございます」

椿さんのあからさまに意識した態度がしんどい。
私がどういう反応をしたらいいか解らなくなったのであえて気付かない態度を貫いた。
こっそりため息をつく。

「どうしたの?」
「ジーノさん、おはようございます」
「おはよう。で、今のため息なんなの?」
「私にかわいこぶれっていうのは無理な話だなあと思いまして」
「ああバッキーのこと?なまえちゃんも大変だね」
「ギスギスするのがどうも苦手で、ああ食欲も無くなってきた」
「なら貰っていいか」
「赤崎さんて良く食べますね、手ェつけたの唐揚げだけなので全部どうぞ」

いつの間にか隣にいらっしゃった赤崎さんにお盆事唐揚げ定食を譲った。
もうなんと言うかもりもり食べる人を見ているだけでお腹いっぱいです。
食欲も根こそぎ持っていかれた気分。

「ごちそーさん。まあそんなに病むことじゃねぇよ」
「赤崎さん、胃袋でかいですね」

お皿の上は何も残ってなかった。
食材も残さず食べてもらって幸せだな。
バイトの休憩時間は大して長くないので、さっさと食堂を出た。





「椿、脈アリだ。よかったな」
「ええっ!?でも、やっぱ赤崎さんや世良さんの方が仲良い気がして、もどかしいです」
「そんなに気にすることないよバッキー。あれは男として見られてないから」
「ちょっと、それどういう意味っすか」
「確かに男っつーより兄っぽい感じかもな」
「よし椿、今日のなまえちゃんの仕事あがり狙っていけ!」
「は、はい!」






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