買い出しから戻って達海さんとすぐに別れた。
今は廊下をクイックルワイパーで掃除している。
このバイトも今日で最後かと思うとなんだか寂しい。
しかしそれよりもこの間の椿さんの言葉が気になる。
もしかして恋愛沙汰だろうか?
…絶対皆さんにからかわれるに一票。
この夏に身をもって経験したのだ、監督を筆頭に選手たちは私をからかう対象としていた事を。

小さい子じゃ無いのに、そう言った扱いをされる私の身にもなってほしい。
まあジーノさんのレディー扱いも日本だと恥ずかしいけども。

「あ、お疲れ様なまえちゃん」
「有理さん!お疲れ様ですっ」
「今日で最後なのよね、将来ここに就職したら?」
「ええ、ほんとですか?」
「選手とのコミュニケーションもとれてるし仕事も出来るしぴったりよ」
「えへっ、ありがとうございます」
「ふふっ、これミルキーなんだけどおやつにどうぞ」
「あああありがとうございます大事に食べます!」

有理さんは忙しそうに廊下を走っていった。
有理さんは最初から最後までいい人だった。

「なまえちゃああああん!」
「!?」

世良さんの予告なしタックルも慣れた。
だんだん加減も分かってきたようで、今では吹っ飛ばされるほどでもない。

「今日が最後なんでしょ!?」
「世良さんお疲れ様です、今休憩ですか?」
「あーあ、俺よりちっちゃいのなまえちゃんしかいなかったのにィ」
「えー…そんな理由だったんですか?」
「冗談だよ、純粋に寂しいなって」

世良さんが笑った。
その笑顔は何処と無く寂し気だ。

「なまえちゃんもっとここにいればいいのに」
「いやいや、赤崎さん。本来なら私今頃受験勉強してますて。ただでさえこの夏休み何もしなかったんですから」
「俺の時はそんな切羽詰まってなかったからよ」
「切羽詰まってるわけじゃないんですけど、ね。波に乗らなきゃならないんですよ」
「今時のは大変だな」
「大した差も無いじゃないですか」
「だな。そんじゃあまた後で」
「はーい」






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