ふと聞こえた地響き。
廊下で誰かが騒いでいるのかと思えば、その音はどんどん近付いてくる。
まさか。


「おいコラみょうじッ!小烏丸入らねえとはどーゆー了見だアァ?」
「めんどくさいの来た…」


思った通り、南樹が直進してきた。
ものすごい形相なおかつ速さでこちらに進んでくる。

さすがにそれは怖いって!

このままでは正面衝突になりかねないと思い、とっさに避けると南はそのまま私の後ろの壁にぶつかった。
衝撃でパラパラと破片が散る


「どうしてチーム入らねえんだ?」


くるりと振り返った南。
見た感じケガは無さそうだけどいくらなんでも丈夫すぎでは…?


「入る理由がないし」
「理由なんざ『俺が誘ってんだから』だろーが」
「それじゃあ『私が断ってんだから』入らなくてもいいじゃん」


私がそう言うと、南は考え始めた。
私がこいつの言葉を返してたら多分長くかかると思う。
お互いに挙げ足とるのだけは上手らしいから。


「静かに!」


七海が怒鳴りながら教室に入ってきた。
生徒会長ないし学級委員長として威厳を持っとるのは良いことだと思うけれど怒鳴るのは止めて。
吃驚するから。


「さっさと席付けバカどもが」


怖い。

素直にそう思った。
彼女には相手に有無を言わせない能力でもあるんじゃないかと思う時が度々ある。

そして大抵の物事は即決。
しかもなかなかハズれない所が素晴らしいと思う。
彼女の人を引っ張る力はすごい。

しかし、そんな彼女がどうして怒りながら教室に入ってきたのかは私も見当がつかない。

もしかして告白でもされたのだろうか。
七海顔良いからモテるし、でも男嫌いだからコクられては不機嫌になるのだ。
その不機嫌に付き合わされる私の身にもなってほしい。


「今日の一時間目は自習です!が、教室から一歩も出ないように!」


七海の額に怒りマークが見えた気がした。
南達は固まって何かを話してる。
明らかに怪しい態度。
というか解りやすい。
あ、そっか馬鹿なのかうん納得納得。

そんな怪しい南達を見て、七海は更に付け加えた。


「尚。教室から出た場合1ヶ月間の補習。それか修学旅行取り消しだから」


厳しいなオイ。


「今色々作戦考えてっとこなのによォ」


ああ、解りやすい以前に馬鹿なんだなこいつは。七海にそんなこと言って、無事でいられる分けないのに。

昼休みを過ぎてイッキの顔が醜かった。
殴られた後みたいな。

ざまあ。とか思ってないです。
ハイ、本当です。
あ、でも少しくらいなら当てはまるかもしれません。



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