嫌いだ。
あたしは、この世界が。
早く帰りたい帰りたい帰らせてねぇ神様、あたしが、一体、何をしたというの。
目を覚ました、デジャヴ。
だけど今度は携帯は探さなかった。
どうせ枕元にもベッドの下にも無いんだろう。
寝返りをうって天井を見たら先ほどの人物があたしの顔を覗き込んでいた。
それが酷く不快だったので掛布団を顔まで引っ張った。
「――?」
またなにか喋った。
しかしあたしはこの人がなんて言ったかなど解らない。
あたしは日本語しか解らない。
そして返事をする気はさらさら無く、無言で通していた。
この人も諦めたのか、溜め息をついた。
言語は違えどもリアクションは共通しているものなのだなと実感。
そしてまた何かを喋って、彼は部屋を出ていった。
また逃げようかと思ったが、どうせ捕まるだろう。
どうしてあたしはこんな世界に来てしまったのだろうか面倒くさい。
セオリーなのは最強だったり超絶美人だったり恋に落ちたりするのだろうけどそんなもので浮かれる歳でもない。
ああ、死にたい。
面倒くさい。
関わりたくない。
切実に。
きいいいと扉が開いて先ほどの人物がまた別の人を連れてきた。
「こいつか?」
日本語。
日本語がわかる人なんていったら直ぐに限られてくる。
あたしは深く関わりたくないのに。
ちくしょう。
「―――?」
「―.―――?」
べろんと布団を剥ぎ取られてしまい、あたしは嫌でも顔をつき合わせる事になった。
名前はもう覚えてないが顔はまだ記憶にある。
最悪。
最悪。
気持ち悪いし吐きたい。
なんでこうなっちゃったの。
どうして上手くいかないの。
意味がわからない。
どうしたら良いかなんて考えられない。
頭の中をぐるぐる巡るのはどうしてという疑問だけ。
「日本語わかるか?」
そう問いかけられてもぽかーんとした顔をしてその人の目を見ていた。
早く殺してくれれば良いのに、あたしなんか。
「―」
「――!?――」
こんな世界。早く滅びれば良いのに。
布団は剥ぎ取られてしまったので枕を抱き締めた。
泣きそうだ。
それでもこんな奴らに泣き顔は見せられない。
しかし心配そうな声が頭上から聞こえてきた。
「もうやだ」
「―!」
「喋れるじゃねーか…」
しまった。
今声に出していたのか、馬鹿じゃないかあたし。
バレないように関わらないようにしたかったのに!!