「不思議なのは最強の盾ってところなんだよね」


そう呟いたのは確かコムイだったか。

科学班に呼ばれて来てみたらあたしのイノセンスの事で話があるらしい。
散らかった部屋は相変わらずで、自分が今座ろうとしているソファにまで紙が乗っている。
それを適当に集めて、既に沢山積んである紙の山の上に置いた。

コムイは書類にいろいろと書きながらあたしが座るのを待っていた。
着席したのを見ると喋りだした。


「そっちのナイフが最強の矛って言うのは何となく解るとして、なんで君が最強の盾なんだろうね。ああ、僕は中国の出身だから韓非子は知ってるよ。で、考えられるのは」


そこでコムイは書類を重ね、紙の山を崩してしまった。
あー、もー。と紙を拾いながら嘆く彼をみて手伝おうと腰を上げた。
瞬間、言った。


「君は寄生型なんじゃないかな」


バサ、と持っていた紙が落ちた。
その際紙で指を切ってしまい地味に痛む。
アクマに対しては最強の盾のくせに、と日本語で悪態をついた。
アクマ以外からは普通に傷付く体なんて不便なだけだ。
しかし、紙を落としたって事は少なくとも自分は動揺しているのかと自覚した。コムイの目に視線を向けて、それは本当かと訴える。


「しかも完全な寄生型じゃなくて、装備型との中間。つまり君はハーフなのかもしれない」


自分でも装備型って思ってたでしょ?と更に言われて、素直に頷いた。


「新しいタイプだ。研究のしがいがあるよ」


至極楽しそうな笑顔と、浮かれた声で彼は言った。
あたしは広い集めた書類を机の上に置いた。
コムイはまだ書類を拾っていたが、手持ち無沙汰で突っ立っているともう戻って良いよと言われ、部屋へと急いだ。

ハーフって。ハーフって何。




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