「疲れた…。と言うかやっと会えた…」
「方向音痴で、すいません」
「結果的には良かったから。気にしてない」
「で、どんな人だったのその人」
ドイツのとある巻き戻しの街のその辺にあった近場の喫茶店。
そこで漸くはぐれた人物と会えた。
アクマに襲われていた、確か今回の手掛かりとなるであろう人とも遭遇したのだけれど、その人の逃げ足の速いことと言ったら。
全く追い付けなかった。
リナリーが特徴等を訊ねたのでアレンが描いた似顔絵を見せてやればよく解らないと言った。
うん似顔絵というよりは抽象画だものこれ。
そう言えるのも無理ない。
それくらい下手だった。
「寝たい…」
「アレン君…なんでその人見逃しちゃったの」
「アクマ倒してる最中に逃げられたんですよ」
店のメニューを見つめながら二人の会話を聞いていると、いきなり隣の某主人公が大声を発して吃驚した。
さらに吃驚したのは逃げられてしまった人がこちらを睨むように見つめていたことだ。
そしてまた逃げようとしたところを捕獲。
というよりはアクマがいたので保護と言った方が正しいそしてアクマを倒していく。
不思議な事にアクマ達は自ら引いてった。
戦わなくて済むならそれが一番良いに決まっている。
二人で首を傾げながらリナリーの元に向かった。
そういえば彼女らは今どこにいるんだろ。
「僕、彼女の家に行くように頼みましたよ?」
「うん。それは聞いたけど、あたし家知らない」
「あ」
はい探すフラグをプレゼントってね。
もう勘弁してくれないかなこの白髪。
ミランダ・ロットー。
この人って主要キャラだっけ?あたしの記憶は確か7、8巻あたりで止まってるから彼女が大事かどうかよく覚えてない。
でもそれなりの活躍はしていたから重要な人だな、多分。
黒の教団に来てからエクソシストがどれだけ大事か知った。
だから適合者というだけでも教団側にしてみれば超重要だ。
強いか弱いかで判断なんてあたしも嫌な奴。
ホント、めんどくさい。
「いっそ無理矢理連れてく…」
「っていうのが出来たら良いんですけどね」
そうだった。
この奇怪な出来事と言うのを解決しないとこの街からは出れない。
しかも彼女が適合した置時計のイノセンスは彼女以外はさわれない。