食堂に入ってみるとなかなか混んでいた。
今は混む時間帯なのかと時計を探してみたらでっかいのがたっかい所にあった。
11時45分。
それは混むよね。

ドリンクだけ持って適当に席に着いた。
ドリンクはセルフらしく注文のためにわざわざ並ぶ気になれない私には丁度よかった。

席についてする事も無いので、後ろの人達の会話を聞いていた。
聞き取れない事が多々あり知らない単語もややあったのでぼんやりとした事しかわからなかった。
最近は敵も強いとかグロテスクとかそんな話の内容だった気がする。
敵ってグロいの?と疑問を抱えているとまた話題が変わっていく。
それは昼間に聞くような話では無く、命を懸けているといったような濃く重い話だった。

これ以上鬱々とした気分になるのも嫌で、ドリンクを補充しようと席を立った。
もうあそこには座らない。
聞きたくない。
そんな重い話。

どこか楽しそうに会話してる所は無いのかと探してみたが下世話な話をしていたのであそこも却下だ。


「……あ」


見覚えがある、ような無いような。
科学班にいた、よな。
彼。
うん。
近くに行ってみよう。

ドリンクを持って、その人の視界に入らないように近付き着席。
何かいい話が聞けないもんかと耳をたてるが忙しいのだろう、咀嚼もままならない内に席を立って食堂を出ていった。
大変そうだ。
その状態で出入口をぼーっと眺めていたら赤毛が入ってきた。
あ。と思い観察していると目があった。
すぐに目を反らし、さっきいれたリンゴジュースを少し口に含んだ。

ガチャンと目の前に料理が置かれて、吃驚して見上げるとさっきの赤毛だった。
まじまじ顔を見つめていると向こうはにっこりと笑った。
そしてそのまま着席。
赤毛は良く見れば顔が整ってる。
あたしの記憶によるとこの赤毛も確か主要キャラ…よね。
あとはロン毛と、アレンなんちゃらもだったよね。
懐かしいなあと思い遠くを見ていると大丈夫か?と赤毛が聞いてきた。
頷く。
どこにも異常は感じられない。

彼が咀嚼するのをジッと見つめていたらこれ食べる?というような事を言ったので断った。
そういえば喉乾かないのだろうか、手元にはコップもグラスも見当たらない。

何か飲みたいものはある?と聞けば、キャロットジュースが飲みたいと言ったので汲んでくると席を立った。


「はい」
「ありがとさ!」
「どういたしまして」


英語って、直訳するとたまに意味がわからない。
どうしてYou're welcome.がどういたしましてになるんだろうか。
あたしにとってはすごく不可解。






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