何かが崩れるような音がして、窓の外を見た。
ちょうど原因の所で、燐とアマイモンさんが見えた。
子供に夢を与える遊園地で暴れてもの壊すなんて。

「悪魔か…あの二人…」

いや、実際に片方は悪魔なんだけど。
それにしても何でアマイモンさんは燐にちょっかいを出したがるのか。
燐にも何か理由があるんだろうけど、私にはわからない。

考えてても仕方ないか…。
結局アマイモンさんは何のつもりで私を誘ったのかわからない。
デートって言ってたけど私はほとんどへばってただけだし。

というかそもそも私とアマイモンさんって敵同士のはずじゃ…。
もしかするとあれか、私狙われてるのか。
アマイモンさんは隙を狙ってたり…!?
いや待てよ、だとしたら隙なんていっぱいあったはずだ。
今朝私に張り付いてるヒマがあったら殺してるだろうし、日中外にいたときだっていくらでもチャンスはあったはずだ。何故なら私がへばっていたから。

そう考えるとこのセンでは無いな。

じゃあ何だろうか。
あ!あれか?
なんだ、あいつ私の事好きなのか?
いや、でもアマイモンさんがそんな事考えてたら引くわ。悪魔のくせに。というかそもそも悪魔って恋愛とかするの?
…。
仮にしたとしよう。
きっと繁殖の為にはそういった事もするわけだ。
がしかし、私達は敵同士だ。
禁断の恋ってか。
なにそれ昼ドラか。

だいたい私に繁殖能力なんて備わっていないし、意味の無い行為だ。

「ないな…」

そんなくだらない事を考えるのは止めて、さっさと帰宅する事に決めた。
辺りはもう暗くなったけれど、人よりも目がいい分まだまだ眩しく感じる。

日傘をさして遊園地の出口へ向かう。

途中うちの学校の人たちとすれ違ったりしたが、全く面識のない方々でお互いにスルーした。
向こうも私なんか知らないだろうし、それはそれで構わないのだが、

「…奥村?」

遠くの方で奥村雪男を見た気がした。
祓魔師の仕事…かな。



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