メフィストさんから電話がかかってきた。
夏休みの課題を終わらせたろうと集中して取り組んでいたが、着信音のせいで集中力は途切れてしまった。

「課題終わらなかったらメフィストさんのせいだな」

ぶつぶつ文句を良いながら携帯に手を伸ばし、通話ボタンを押すとメフィストさんは真面目な声色で「お願いがあるんですが」と言った。
メフィストさんから電話という時点でロクな事がないのは解っていたが、今回は一段と大変そうだ。

「祓魔師としての用事です」
「…うあ」
「詳細は直接お話しますので、とにかく遠出の準備をしておいてください」
「はー…い」

携帯を手放した。
ベッドの上に無事着地したそれをぼうっと見つめる。

私は一応名誉騎士というポジションの祓魔師だ。
そこだけ聞くとすごいように思われる事がままあるけれど、私の血の関係でたまたま名誉騎士という称号をもらっただけだ。

「やーだなーあ」

祓魔師の仕事は嫌いだ。





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