扉を開けたらそこは理事長室で、何故かネイガウス先生がお茶をのんでいらっしゃった。
ネイガウス先生は祓魔の先生なので私が先生と呼ぶ必要は無いが、この先生に愛称を付けられるほど親しくも無いのでとりあえず先生と呼ばせて貰っている。
ネイガウスさん、って言うのはなんか違う気がするんだ。
ならMr.ネイガウスはどうだ!と思ったこともあったけど私が恥ずかしいので却下した。

そんなどうでも良いことはさておき、ネイガウス先生の座っている向かいに座ってなんとなくジッと見つめて観察してみる事にした。
すると何を思ったかネイガウス先生は唐突に立ち上がり、別の部屋に行ってしまった。

何か用事でもあったのだろうか。

それよりもピンクマン理事長は何処で何をしているのだろうか。
お腹が空いたまま時間だけが経つ。
なにこのお預け状態。

もう少しで夕飯になってしまうじゃないか。まありんご半分くらいなら腹に入るから良いんだけども。

ぼーっとその辺を見ていたら、扉が開いた。
やっと理事長が来たのかと思えば、入ってきたのは先ほど出ていったネイガウス先生だった。

「茶だ」

私の目前にお茶を出してくださったネイガウス先生。

「ありがとうございます!」

勘違いされがちだがネイガウス先生はいい人だ。いただいたお茶を飲みながら思った。

お茶を飲み終える頃になってようやく理事長が帰ってきた。

「あ、ラーメンが帰ってきた」
「誰がラーメンですかこのポンコツ」
「アイムハングリーなう」

理事長はラーメンの出前をとってくれたので、届くまでの間に気になることをいくつか聞いてみた。

「先日アマイモンさんと休日の遊園地に行ったんですけど、なんで燐とアマイモンさんの戦闘シーンが見れたんですかね」
「さあて、何故でしょうねえ」

なんだそれ。
理事長は誤魔化すつもりは無いにせよ話す気もないらしい。

「あの二人って知り合いなんですか?」
「顔ぐらいは見知った仲なんじゃないですかねぇ?戦ったともなれば」
「じゃあどうして戦ってたんですか」
「わかりません」

あくまでしらをきるつもりなのか、この人。
知ってはいたけど、性格悪い。
ついでに趣味も悪い。

「なら、」

これが一番聞きたかったこと。

「理事長は何がしたいんですか」

長いことこの人の元にいるけれど、昔から食えない所がある人で、うまく人物像を組み立てられない。

彼は悪魔だ。
もしかしたら裏切られることもあるかもしれないし、ないかもしれない。
そのことは彼自信が言っていた事で、耳にタコができるほど言われてきた。
だから私は惑わされず自分の意思で動いてきたつもりだ。
しかし、いかんせん彼は隠し事が多すぎる。
ある程度の事なら察する事もできる用になったけれど、それはごく浅い秘密で、彼の人物像のピースにはならない。

だから、この質問なら答えてくれたら、わかるのに、ピースになりうる解答なんじゃないか。
それより大前提として、答えてくれたらというものがある。

少し緊張して、理事長が答えてくれるのを待っていたら、彼は口を開いた。

「秘密ですよ」

理事長いつものニヤニヤ笑顔でそう言った。

ちょっと、ショック。
私は理事長のことを嫌いではないけど、よくはわかっていない。
だから知りたかったのに。

「失礼しやぁす!ラーメンとトッピングに岩のりとメンマお待たせしゃーしたっ」

しかし私の要望通りにトッピングをつけてくれるあたりは大好きだ。
私もゲンキンな奴だと自覚はある。





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