奥村ツインズの流しそうめん対決は引き分けのまま終わった。
先にそうめんが尽きてしまい、私が食べることは一度も無くお開きになってしまったのだった。

「悪かったな…その、全部食っちまって」
「ごめんね、夢中になって気付かなくて」
「いーよいーよ気にしないで。今度は焼肉食べ放題でも行こうよ、育ち盛りの胃にはそうめんなんかよりお肉のがいいと思うしね。それに見てて楽しかったし」
「肉!行こうぜ、行こうぜ!」

私がいては、二人はずっと申し訳なさそうにするだろうとおもったのでさっさとお暇することにした。
次は焼肉ね!と念を押しておけば、二人は笑ってくれた。

自室に戻る途中に携帯を取り出して、電話をかける。
すると相手は三回目の呼び出し音で出てくれた。

「もしもし理事長の携帯ですか?」
「どうしました?珍しいですねぇ、貴女からかけてくださるなんて」
「いやあ、ラーメン奢ってほしいなあなんて思いましてね。いろいろ聞きたい事もありますし」
「どっちが本音なんですか」
「今回は素直にどっちもです」

電話超しにため息が聞こえた。
いつもは逆の立場なのに、と少し可笑しくなった。
この間は観光案内とかさせといて、その貸しだって出来てるんですよ!

「いいでしょう、来なさい」
「わーい、理事長愛してますよー。トッピングに岩のりとメンマで!」
「生憎、私はラーメン屋ではありません」

ちぇっ。
別に良いじゃないかトッピングぐらい




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