久しぶりに休みをもらった。特に、希望を出していたわけではないが、昨日、急に店長から明日は休めと言い渡された。休みは正直有難い。だから、特に何も言わず、素直に頂いた。が、気になる。滅多なことがない限り、うちの店長は休みを与えてくれない。なのに、なぜ今日に限って?

 たまたまコンビニに訪れた主婦たちが世間話しているのを聞いたのだが、またスーパーの重任が殺されたらしい。物騒な世の中ねえ、と暢気に言っていたが、全くその通りだ。この町に、殺人犯が潜んでいると思うとめちゃくちゃ怖い。もしかして、若い女性がひとりでコンビニを担当したら、危ないと店長は判断したのかな。なんて考えるが、思いやりと無縁な店長がするわけもなく、

まあなんにせよ、休みをもらったのだから、有意義な一日にしよう。そう考え、私はどこかに行こうとしたのが、朝起きたとき、体が言うことを利かなかった。原因は明白。全身筋肉痛だ。物凄く痛いそれを耐えてまで、出かける根性は生憎、わたしには持ち合わせない。結果、わたしは家でぐだぐだを選択する。

「うーん。ぐだぐだ最高。引きこもり最高。でも、なんで筋肉痛? 見れば、擦り傷青痣もあるしな」

 そう、わたしには心当たりがなかったのだ。全身筋肉痛になる理由も、所々に見える擦り傷青痣を作った理由も。眉間に皺を寄せて、一生懸命、考えを巡らすが、それらしい理由も、記憶も出てこない。

おかしいなあ、と感じるけれど、出来てしまったものはしょうがない。覆水盆に返らずで、どんな理由でさえ、今となっては、どうしようもなく、もう元に戻せない。きっと、気付かないうちにカウンターにぶつけたりとかで、なってしまったに違いない。それにしては、度の越えたものであるが、気にしないで置く。

 すっかり開き直ったわたしは、気分転換に漫画を読もうと、立ち上がる。すると、自然に視野の隅から、時計が入り込み、時間がちょうど15時に差し掛かるところだった。ああ、もう15時になるのか、と思ったのを最後に、わたしの意識は消えていった。



休息すらできない

(20120921)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -