溺れる


「ねー」

「………」

「…無視すんなよー」

そう言っても未だに本から視線を上げてくれない彼氏に

「かまってよ…」

とふてくされたように呟いた。




「………茜、」

優しく囁く貴方。

でも悔しいからすぐに答えてやんない。



「……何よ」

嗚呼、なんて可愛げない女…

と、心の中で既に後悔するが態度は直るどころか悪化。





「こっちおいで?」




ズルい、と何度心の中で言っただろう…。





こうやってまた貴方に溺れる―――


prev next

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -