好きだと言ったのはキミだった。
離れて行ったのもキミだった。
いつか会いたいと願ったのはボクだった。
でも、こんな形で出会うことは願っていなかった。
どうしてキミは離れて行ったんだ。
どうして近くにいたのなら、ソイツじゃなくてボクに出会わなかったかったんだ。
もう一度恋に落ちる自信はあったのに。
キミは《もう一度》なんて願ってもいなかったのかな。
【誓います】
キミのかわいらしい声が響き、天からも見守られているようたった。天から見離されたのは紛れもなくこのボクだ。柄にもなく泣きそうになるボクの目は狂ってはいなかった。
嗚呼、幸せそうなキミの笑顔が瞳に焼き付いて離れない。
教会から大きな宴会場に移動し、ボクは新郎側の席に座った。
キミは驚くだろうか。
かわいいその声で「淳くん」とまた呼んでくれるだろうか。
そもそもキミはボクのことを覚えているだろうか。
おめでとうと言えないボクをどうか許してください。