好きとか嫌いとかもう、そういうのはとっくに通り過ぎた位置にいたんだと思う。



「なー、お前と山梨って付き合ってねーの？」

何度言われた質問かわからない。

「しつけーなー。付き合ってねーっつうの」

何度返したかわからない返答。

「なんで？お前らいい感じじゃん。お前好きなんだろ？」

どうしてこいつらは『好き＝付き合う』という方程式しか成り立たないんだ？

「ほっとけよ…」

「だってよー！」

納得できないソイツは、自分の意見をオレに押しつけてこようとした。




「もう、黙れよ」

溜め息と共に吐き出した言葉。…わかってる。お前がオレのために言ってくれてるってことは。
でも、ほっといてくれ。

もう好きとか嫌いとかじゃねーんだ。