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 一時収拾がつかなくなりかけた入学式も何とか無事終わり――

「凄かったなぁ」
「鞍眞様凄くかっこ良かったよね!」
「さすが王冠の方だよな〜!」

 しばしの待機を命じられた新入生の間では、先程の生徒会長の演出の話で持ちきりだった。
 炎は全て消され騒ぎが治まった今でも、きゃあきゃあと余韻に浸る生徒達の声が聞こえてくる。
 そんな中ようやく。
 鳩の隣では、眠り続けていた結斗が目を覚ました。ん〜、と軽く伸びをして。

「結、寝過ぎ」
「はよ。も、おわった?」

 まだどこか寝ぼけているのか、舌っ足らずな口調で訊いてくる結斗に、鳩は呆れながら頷きで肯定を返す。
 だが、自発的に起きてくれただけまだマシだ。起こすとなるとすんなりとはいかなかっただろうから。

「……なんかあった?」
「ああ、まぁ。派手な演出がな」

 何があったかは知らないとは言え、さすがに浮き立った周囲の様子に異変を感じたらしい。
 きょとんとして尋ねてくる結斗に、何となく説明に窮してしまった鳩は大分端折って、だが間違いではないことを告げておいた。

 ――と。

『新入生の皆さんには、これから各クラスに移動していただきます。壁に張り出されているクラス表を確認し、各自移動してください』

 告げられたのは次の指示だ。
 『壁に張り出されている』という言葉に後方へと目を向ければ、両側の壁にそれぞれ大きな紙が張り出されていた。



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