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 その人がどうしたのか、と理々を見やれば、理々は話を続けた。

「郁奈宮学園でも結斗様の親衛隊隊長を任せて欲しいそうです」
「は!?」

 と、それに結斗が盛大に驚いた。どうやら予想もしていなかったことだったらしい。

「またあんなもん作るのかよ!」
「はい! 僕達は少しでも結斗様のお力になりたいんです。駄目ですか?」

 あ、またでた。理々のうるうる攻撃。
 その効果は相変わらず絶大のようで、結斗はうっとたじろいでいる。
 鳩はそんな彼等を横目で見ながら、まぁ当然だろうと一人得心した。
 結斗の容姿は、身内の贔屓目なしに見ても可愛らしいものだ。結斗は気づいていないようだったが、この学園についてから結斗を見て頬を赤らめる者は何人もいた。
 その上、結斗は王冠である。
 羨望を受ける立場にある彼には、親衛隊という管理組織を立てなければ、お近づきになろうとする不埒な輩が蔓延ることになるだろう。
 親衛隊というと過激派による陰湿な制裁がイメージされ易いが、悪いことばかりではないのだ。
 結斗はあまり好ましく思っていないようだが、片瀬弓弦が統率するなら暴走するような組織にはならないという確信もあり、その提案に鳩は賛成だった。


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