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頭を垂れる理々に対し結斗は「あ〜〜」と頭をかきむしる。そして「理々!」と改まって彼の名を呼んだ。
「俺もおまえとまた会えて嬉しいよ」
「――っ結斗様!」
途端理々は、ぱっと顔を上げ感激からか潤んだ瞳で結斗を見つめる。そんな彼を見返す結斗は優しく微笑んでおり、その図は――それはそれは絵になっていた。
そしてだ。
そう思ったのは鳩だけではないようで、ふと周囲を見渡せば、結斗達に注目している生徒達は皆うっとりとした表情を浮かべていた。とても素晴らしいものを目にしているといわんばかりに。
そんな周囲の様子に鳩が思わずギョッとしてしまったのは余談である。
――と。
「あ、そうだ」
理々が突然、何かを思い出したように声を上げた。