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「鳩。確かに俺はち……いさいけど、強いんだからな。寄ってくる馬鹿共をぶっ倒すことなんてわけないんだよ。けどおまえは弱いんだから……もっと警戒しろ」
確かに――確かにだ。
結斗は強い。薺には及ばないと言ってもそれは薺が規格外だからで、結斗自信の能力は十分才あるものだ。
そして護衛とは名ばかりで、実はその意味をなさないほど――鳩は弱かった。
「よ、弱……。結、そんなはっきり言うなって」
ぐさぐさと胸に刺さる棘に傷つきながら言えば――結斗はにやりと笑った。どうやらこれは仕返しだったらしい。
「ま、弱っちぃ鳩のことは俺が守ってやるから! 安心しろよ!」
「……悔しいけど言い返せないっ」
「行くぞ!」と声をあげた結斗に、鳩は項垂れながら頷きを返した。