ぎしり、と軋む音がする。

大の男2人分の体重が掛けられているのだから、
やむを得ない事だろう。

ましてや、そういった情事の最中なのだ。
響き渡る音が徐々に激しさを増していくのも、
それに合わせて漏れる声が色付くのも
止むを得ない事なのだ、と納得させる。

言葉としての確約もなく、カタチだけの繋がりを感じながら
お互い同時に果てた。


切らした息を整えながら、さらりとこぼれ落ちる
金髪の髪を掻き上げてやる。

蒸気した頬は一層艶を帯び、再び揺さぶられるのを
感じつつも、力なく置かれた指先を絡め取りキスを一つ落とす。
微かに瞳が開き、穏やかに口元が綻ぶ

「どうしたんスか、急に」

「…んでもねーよ。」

黙って寝てろ、と反対側の掌で瞳を覆ってやる。

甘い言葉も確固たる未来も与えてやる事は出来ないけれども、
この震える手を振り落とされない様に握りしめてやる事は出来る

今は、これだけ。
それで、充分だった。



(震えているのは自分だっと後から気付き、また君にキスを落とす。)


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