細糸の様にさらさらと降りしきる小雨
水無月の終わり

灰色の世界に閉じこもりベットの中二人きり
背中を抱く様に布団に潜る

「6月って嫌いっス」
目線の先には薄暗い景色が拡がる
口を尖らせ、大きな瞳を細めてスネる君
「そーかよ…」

ちょっとうっせーから黙れって言うと、
みるみるうちに顔を曇らせる。
まるでこの空の様で、あぁ、こいつには似合わない
なんて、ふと思ったから言葉の代わりに
白い肩を抱いてやる。

ひんやりと気持ち良く、
それ以上を求める様に顔を埋める

しとしと。

窓の外降り注ぐ銀糸
静けさに満ちたこの世界に
こいつの存在だけが響く

辛気臭い雨
灰色の空
俺も、嫌いだった

「濡れんだろ、遊びに行くのも面倒くせーじゃん?」

だから
「だからよぉ、ずーっと、
お前とココにいるしか、ねーよな?」


言葉とは裏腹に弾む声
透き通る様な金髪の間から
真っ赤に染まった耳が覗いている

自然と頬が緩むのを感じる。


電気も付けず閉じこもる世界
………まるで世界にふたりきり


憂鬱な空。落ちかかる無数の雫。
大嫌いな6月に終わらないでと切望する。




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