坂田と年越し

「はーお腹いっぱい」
「すぐ横んなると牛になるぞ」
「え?美人になる?やだわ銀ちゃんたら」
「言ってねーよどんな耳してんだお前」
「もうすぐ今年も終わるねえ」
「そーですね」
「今年も色々あったよねえ」
「そーですね」
「銀ちゃんハゲ」
「そーですね、…え、何?どうしたの?銀さんハゲてないよ?反抗期か?」
「あと2分で来年だよ」
「ん?…ほんとだ」
「カウントダウンしようよ!」
「はえーよ」
「今からじゃねーよ天パ」
「なんだお前反抗期か?」
「今年も1年お世話になりました」
「ほんとにね、いやいや嘘ですこちらこそ」
「今年も銀ちゃんの隣にいられて良かったなあ」
「そーね」
「何それー」
「いや俺そういう痒いの無理」
「馬鹿野郎天パそんなんだからモテないんだよ」
「おまっそれは禁句だろ」
「モテてたら許さない」
「どっちだよ」
「あーほらあと20秒だよ!!」
「ほんとにカウントダウンすんのかよ」
「18!」
「…」
「銀ちゃんもちゃんとやって!16!」
「もう良いよそういうのー」
「ちゃんとやって銀ちゃん!じゃなきゃ来年から私桂さんとこ住む」
「まじでか」
「だからちゃんとやって」
「…お前じゃなかったら俺は唾を吐いてるね確実に」
「はいはい、ほらあと5秒」
「そーですね」
「真面目にやれ」
「さき」
「もー、何銀ちゃ」
「結婚してください」


「……」
「……」
「……」
「なんか言えよ」
「うっさい天パ。なんで今いきなりプロポーズなの?今の状況分かってる?炬燵だし普段着だし、結局カウントダウンも出来なかったし」
「まだそれ言うか」
「ムードも無いし!銀ちゃんお金も甲斐性も無いし!」
「新年早々俺の心砕くのやめてくんない!」
「ムードも無いし!」
「それさっきも聞いた。なあさき、」
「それに銀ちゃん天パだし!」
「いつかサラっサラのストパーになってやっから。だからこっち向けって」
「……」
「銀さんこっち向いて欲しいなあ」
「ず、ずるいよ銀ちゃんは!あんな、いきなり格好良く…普段も格好良いんだけどさ!でもすごく真面目な顔して、しかもぷ…プロポーズしてくれるなんて、そんなの嬉しいに決まってるけど恥ずかしいし!」
「分かった分かった。銀さんの心臓がもたないからもうやめて。かわいいにも程があるよさきちゃん」
「……」
「あ、やっとこっち見た」
「うるさい」
「で、返事は?」
「は?」
「プロポーズの返事は?」
「…そんなの言わなくたって分かるでしょ」
「え?ぜーんぜん分かんないなあ言ってもらわないと」
「……、」
「…」
「…不束者ですがよろしくお願いします」
「さきちゃんてばかーわいいー」
「うっさい天パ」
「あれ?また言うの?今良い雰囲気なのに?!」



今年も隣は君でお願いします

(ヅラんとこなんか行くなよ)
(行く訳無いでしょバカ)

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