元気な安田



「さきー入るからなー」
「いやもう入ってんじゃん」
「あー…あちー…うおおおおおお!!」
「ちょっと何いきなり、うるさいミツ」


さきがいかにもうるさいなぁと言いたげな顔を俺に向ける。言いたげっていうか言ってたけど。お前…お前、その格好はなんだ?サービスか?!キャミソールにスカートって…そんなエロ漫画みたいな美味しい格好する奴が本当にこの世に存在してたのか?いかん目眩が…いやこれは暑いからだ。今日暑いもんね、うん、暑い。夏だからね。だからこいつもキャミソールなんだよね分かるよ、分かるけど。あ、駄目だ目眩が。これもう完全に暑いからとかじゃないな、なんつーか白い肌が眩し過ぎる。なに?女の子ってあんな肌白いの?こいつだけ?ていうか毎年見てる筈なのになんでこんな…かわ…かわいく見えるの?全体的に見るのは耐えられないな、よし落ち着け俺。俺はやれば出来る男だろ?そうだよ俺!……タンクトップじゃなくてキャミソールってのが良いよね。細い肩紐が華奢な肩に1本だけあるってのがね、しか、しかもお前!今気付いたけど右肩の方ちょっと下がってるよ紐が!紐になりてえ…いや紐ってヒモじゃなくてね。そういう甲斐性の無い男になるつもりは無いよ。って駄目じゃん!!全然落ち着けてないじゃん!!ああーなんだよこいつなんでそんな無防備な格好でいるんだよ!


「…なに?」
「え…何が?」
「いや…突っ立ったまんま黙ってるから…」
「あ、あぁ、わり」
「大丈夫?」
「おう大丈夫大丈夫」


大丈夫な訳無いじゃん!大丈夫な訳無いじゃん!!いやお前…無防備っつーか最早鈍感にも程があるよ?!幼なじみとはいえ俺も男なんだよ俺既にいっぱいいっぱいだよ!ていうかさ、あの…雑誌読むの全然やめないね。雑誌超熱心に読むね。ちょっと寂しいよさきちゃん。たまに落ちてくる髪をちょっと鬱陶しそうに耳にかけたりページめくったり長い睫毛に縁取られた目が誌面を追って動いてるのを見てるだけで俺もうムラム…いやなんでもないけど。うん。そんな暑いなら髪結べばいいのにとか扇風機じゃなくてクーラーつければいいのにとか思うけどお前のそのちょっと阿呆だったりものぐさだったりな性格のお陰で俺は今幸せなので黙っておく。
と、ふと視線を下に下げたら今度はこれまた白い太股が目に入ったりなんかしてねえこれ拷問か?俺お前が嫌がることしましたか?普段はそんなにスカート短くないから見えていなかった太股が惜しげもなくさらけ出されてて少しは惜しんでくれと思う程に目に毒なそこを気付いたら超ガン見してた。制服とは違う魅力を発見出来るよね私服はね。1つ言っておきたいが俺は露出が多ければなんでも良いとかそういうことは思ってないからね。大体の男子は冬服から夏服への衣替えにしか反応しないけど俺は夏服から冬服になってもぐっとくるから。今まで見えていた部分が隠されることによってその見えない部分にかける情熱とロマンはかえって増長し、ってそんなことは今はどうでも良いんだ。問題はさき、お前だ。今まで私服の時にそんな短いスカート履いてましたか。長い付き合いになるが夏でもこんな大胆な格好してなかったような。しかし足ほせぇな、ちゃんと飯は食ってるのか?細い割に柔らかいんだよなぁ女の子は。反則だろそんなん、きゅんてくるに決まってます。ひらひらのスカートからすらっと伸びる足を目で辿ってるうちに…舐めたい。もう認めるよ舐めたいよ。つーかぶっちゃけ腕も舐めたい。揉みまくって舐めまくりたい。もうお前の全部がかわいくて何見ても俺はムラムラする。落ち着くとか無理だな、ムラムラする。2回言っちゃったよ大事なことだよ


「ミツ、」
「え?」
「顔怖いよ」
「え、え?」
「目が血走ってる」
「う、うるせ」
「少しはこんな格好した甲斐あったのかなぁ」
「は…」


それはどういう意味なんですかさきちゃん。ああもう心臓もたねえ、目眩がする



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