石田三成と言う人物は、一匹狼と言う言葉がピッタリなほど誰とも絡もうとしなかった。
その性格は保育園の時から、高校二年生の今でも健在である。
三成は細身の体なのに、きちんと引き締まっており、顔も美人が似合いそうなほど。しかし性格がアレだから、と周りにいる者たちは離れて行ってしまう。
三成は別にそれで良かった。寧ろ、それがよかった。

そんな三成のもとに、一人の男がやってきた。
見るからに運動部に入っていそうなくらい、筋肉が割れており、ニカッと笑みを見せるそいつは、三成の大嫌いな『人気者』。

「何故皆と話さないのだ?」

そいつがわざわざ三成が座っている席に近寄り、話しかけてきた。三成は返事をせずに黙々とぶ厚い本を見る。普段はそんなものをみるような性格ではない三成だったが、三成が慕ってやまない豊臣秀吉が好んでいるらしい本だったので、思い切って購入したのだ。三成に話しかけた者―――徳川家康は、少し拗ねた子供のように、三成が読んでいた本を奪った。

「なっ!何をする貴様!」

三成が怒りに満ちた声で言うと、家康は嬉しそうに笑った。

「喋ってくれたな」

その笑顔と声が、三成のイライラを増させていく。
三成は家康のような人が嫌いだった。ずっと前、思い出せないほど前に、そんな人間と一度だけ会って愛を交わした。しかし、その者に殺されてしまった。そんな記憶が頭の隅に残っている。三成は、その記憶のせいで人とかかわるのを避けていた。
そんな壁が、今、ガラガラと崩れ落ちていく。

「わしはな、お前ともっと話をしたいのだ」
「…巫山戯るな」
「巫山戯てない」

嫌そうな顔をしつつ家康を睨んだが、家康は満面の笑みで、まるで後ろに美しく輝く大要があるように三成の冷え切った両手を自身の手で包み込んだから、三成は隙を作ってしまった。それを狙ったかのように、家康が三成を自分の固い筋肉に覆われた体に引き寄せ、優しく抱きしめた。

「宜しくな、三成」

少しだけ恥ずかしそうに、三成は横を向いて、小さく頷いた。


20101215
しおしゃんの誕生日プレゼントに。意味不明汚物で御免なさい。
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