授業中、斜め前の席にいる安田くんがチラチラこちらを見てくるので、どうしてだろう?と思いつつも、安田くんの視線が熱い。恥ずかしい。私が何か失礼したのかと、思い切って聞いてみたことがあったけど、それは違うと本人が言っている。
じゃあなんなのかとまでは聞けなかったから、しょうがなく視線を感じても頑張って授業に集中するために黒板を見る。安田くんは、先生に頭を教科書を丸めたもので叩かれて、皆に笑われていた。

ある日、安田くんからの視線がなくなった。私が思わず安田くんを見ていても、振り向くことはなくなった。相変わらず安田くんはみんなに笑われて、人気者とは少し違うような感じだがいろんな人に馬鹿にされ、好かれている安田くんなのに、視線がない。
授業も前以上に聞けなくなったし、頭に入ってこない。

ただ頭に浮かぶ言葉は、私が何か安田くんに粗相をしたのだろうか?だけ。そのまま何も聞けずに、一週間がたった。
以外にも時が経つのは早くて、それでも私は安田くんの視線が恋しくて、何度も何度も安田くんをみる。休み時間も、こっそり後ろをついていって(トイレは勿論入れないから、隣にある水道に隠れてるけど)安田くんがこちらを振り返ってくれるかな、と期待しつつ歩く。だけど、一向にこちらを向いてくれる感じがしない。いつしか足が止まる私。泣いてもいいかな?いや、駄目だ、堪えるのよ…


五時間目の授業は、私の苦手な英語だった。安田くんはいつものようにギャグを言ったり、ちょっとエッチな単語を物凄く綺麗な発音で言ったり、と先生も苦笑してたし、美作くんは飽きれていたけど私は楽しいと思えた。英語嫌いなのに、不思議。

「ILOVEYOU」

安田くんが言った。その言葉にドキンと一回、胸が今まで一番大きくなって、安田くんをみてみると、安田くんもこちらをみていた。勘違いかもしれないけど、とっても嬉しかった。そして知ったの、こんなに嬉しくなるのは安田くんだけで、私は安田くんに恋をしていたことを。(安田くんはそれからも、私に視線をくれた。前のような毎日がまたやってきてくれて、私はとても嬉しい。実らぬ恋でも、これだけで幸せになれるから、私には十分なのだ)

20101130
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