(中学三年生)



藤くんのふわふわしている黄金色の髪の毛を見ていると、なんだか眠くなってくる。藤くんの髪の毛にはそんな効果があるのだろうか、なんて考えてみてもその考えを途中でやめようかなと思うくらい、眠い。
ただたんに私が眠いだけなんだろうけれど、藤くんの髪の毛を目の前で見ることなんてめったにないから、少し眠るのが勿体無い。折角修学旅行でのバスで、隣同士になれたのだから、話しかけないといけない気がする。まあ、緊張のせいで声が出ないんだけど。
ああ、藤くん。一度でいいから藤くんと笑い合ってみたい。藤くんの笑顔が見てみたい。かなわないことは知っているけれど、私はこの二泊三日の修学旅行に、全てをかけてみよう。行くのよ、美玖。





やっぱ無理。怖い、できない。



20110206

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