仕方ないなあ、もう。
「死にたい」
「大げさな」
一蹴された。だって、もう生きるの辛いよ。萌太に聞こえるように呟く。
「生きるの辛い」
「そうですか」
「死にたい」
「大げさですよ」
萌太はいつもどおりの笑顔。こんな筈じゃなかった。
「だって……数学87だよ!?」
「充分だと思いますよ?」
「ど・こ・が! やだ、もう死にたい」
「死んだら殺しますよ」
「やだ!……無理じゃん」
「ふふ、」
萌太は意味有りげに含み笑いすると、私の頭を撫でる。意図せず体温が上がる。
「可愛いですねー」
「……可愛くない」
「よしよし」
ごめんなさいやっぱまだ生きたいです。
仕方ないなあ、もう。
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