「ねえ、私のこと好きだよね、ねえってば、離れたりしないでしょ? ねえ、ねえ、ねえ遊馬崎さん」
愛くるしい笑みを浮かべて、俺に言い寄る少女はどう見ても狂っていた。どうしてこうなってしまったのか。これが二次元の女の子ならまだ可愛かったんすけどねえ。三次元で絞殺は苦しい。
「遊馬崎さん」
「、ぅ」
「離れたりしないよね? ねえ好きだよ、大好きだよ、遊馬崎さんもでしょ、そうでしょ? 私と同じくらい愛してるでしょ? なのに、ねえなんで? 二次元なんてどうでもいいよね、そうだよね、私のこと好きだもんね」
彼女は普段とても落ち着いた可愛らしい少女だった。押さえてたのだろうか。こんな一面があるなんて意外だ。
「、ねえ」
ふ、喉にかかっていた力が急に抜けて体中に酸素が供給される。がくりとフローリングに膝をつき、上半身を壁に預けて俺の首を絞めていた彼女を見上げた。
「う、ああ、」
頬が濡れる。少女が落とした涙で、ほたり、ほたり、濡れていく。
「ふえ、あああああ、あぁ、ふあぁぁ」
声を上げて静かに泣く彼女は、あまりにも痛々しかった。
あぁあぁあぁああぁあぁああぁ
(題by 梨本うい)
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