「なんでいっつも笑ってるの?」
素朴な疑問だった。彼はいつだってへらへら笑ってる。面白いことがなくたって、笑ってる。私はそれが不思議で不思議でたまらないのだ。笑ったところでどうにもならないようなときだって、彼は笑っているのだ。彼は私が死んでも笑っているのだろうか。知りたくとも、そればかりはわからないし知りたいとも思わない。何故ってそりゃあ、恐怖心による拒絶に決まっている。
「笑う門には福来たるんすよ」
「迷信だよ、そんなの」
私が一蹴すると、遊馬崎は困ったように笑う。笑うのだ。私が死んでも、ねえ、君は。
「まあ、ねえ」
「うん」
「泣いても笑っても結果が変わらないなら、笑った方がいいじゃないですか」
へらり、遊馬崎は笑う。私も笑う。彼はきっと私が死んでも笑うのだろう。それでいい、私のせいで遊馬崎が泣いてはいけない。
これで、いいのだ。
サイケデリックスマイル
(題by ピノキオP)
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