19 自宅から駅にむかうまでの道にこっそり雀荘があることに気付いたのは半年くらい前のことでした。 自分自身麻雀をやるわけでも興味があるわけでもない。 たまたま出会った気になる男性がそこにいたからで、彼に出会わなければそこにそんなお店があることも知らないままだったんだ 見た目よりきっと若くて私とさほど変わらないと思う(20歳くらいなんだろうな…) 髪の毛はサラっとした白髪のような銀髪のような感じで 綺麗な輪郭に切れ長の鋭い目 スタイルもよくてちょっと羨ましい細さ… 遅番のアルバイトを始めてからよく会うようになった 一週間に一回、必ずといっていいほど鉢合わせになる 最近は私も顔を覚えられたみたいで(地味なのにありがたいことだ…)ちょっと気まずい… 会釈をしようと思ったこともあったが話したこともないし、したところでどうするってんだ!! ほら今日もまた、彼はいた バッチリ目が合う。思わず染まる頬を隠すように俯きその前を足早に通りすぎようとした… 「…アカギ……」 アカギ… 連れの人らしき男性が言った アカギ 「(アカギ…さんって言うのか)」 一歩近づけた距離に思わず緩む頬 つい確かめたくなって振り返ってみると、口元を押さえて笑うアカギさんもこっちを見ていた まるで次はお前の番だ、って言ってるみたいに 確信はないけど…彼と言葉を交わす日もそう遠くはないって 想っていい笑いですよね、アカギさん …… 「どうした?」 「いや……クク…」 まさかこんな形で近づけるとは… まあ悪くはない、けど ◯ ×
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