34.アサギジム
 ジムへ訪れるとジムトレーナーの姿はなく、奥にミカンさんが待ち構えていた。

「…灯台ではありがとうございました。でも勝負は別ですよ。」

「もちろんです!」

「改めて自己紹介します。あたしはジムリーダーのミカン。使うポケモンはシャキーン!!」

ミカンさんはかっこよくポーズを決めたけれど…正直言って可愛かった。

「は、鋼タイプです。……鋼タイプって、ご存知ですか?とっても硬くて、冷たくて、鋭くて、つ、強いんですよ?ほんとなんですよ?」

「知ってますよ。氷、岩を砕く力を持ち、毒を受けつけない。鉄壁と言っていいくらい防御が高いタイプですね。ふふっ…戦い甲斐がありそう!!」

防御が高ければ攻撃した時の手応えが違う。私としては戦いやすい相手だ。ミカンさんはコイルを出したからライボルトを出した。電気タイプの技は特性のひらいしんで回収できるから相手は攻撃する技が絞られるはず。

「いきます!コイル、ソニックブーム!」

「避けてかえんほうしゃ!」

ソニックブームを避けてかえんほうしゃで豪快にコイルを焼いた。

「「10万ボルト!!」」

同時に10万ボルトを指示を出して同時に当たったけど、コイルの10万ボルトはひらいしんで無効化されてライボルトの特攻が上がった。

「10万ボルトが…!」

「電力いただきますっライボルト、かみなり!」

かみなりを受けたコイルは地面に落ちた。

「電気タイプと思って油断しました…。でもこの子なら炎にも耐えますよ!」

ミカンさんが繰り出したのは鋼の塊が繋がった大きなポケモン−

「ハガネール…!!」

「ハガネール、すなあらし。」

ハガネールからすなあらしが吹き出してフィールドの視界が悪くなった。

「電気タイプが効かないと厄介だけと、それ以上にすなあらしが厄介。」

じわじわとダメージを受ける天候で徐々にライボルトが不利な状況へなっていく。

「…ライボルト交代しよう!」

ライボルトを戻して鋼、地タイプのハガネール相手ならシャワーズが適任だろうと思って、シャワーズのボールを触れようとしたらマグマラシのボールが揺れた。

「マグマラシ?ハガネールに戦いを挑むの?」

理由はわからないけどマグマラシがハガネールと戦いたがっている。

「…わかった。いこう!マグマラシ」

お互いにタイプの相性が悪い。相討ちになるかどちらか一方が倒れる戦い。状況を見ればマグマラシが先に倒れる可能性がある。

「よし、ニトロチャージ!!」

すなあらしの中をマグマラシが駆け出した。

「いわおとしっ」

「攻め込んで!!」

いわおとしの岩を足場にしてマグマラシはハガネールの目の前まで攻め込んだ。

「かえんぐるま!」

「アイアン、テール。」

ハガネールの頭にかえんぐるまをして怯ませたものの、ハガネールのアイアンテールがマグマラシを襲う。

「マグマラシ!」

アイアンテールが当たった瞬間、マグマラシの身体が光り輝いた。

「これは…。」

「マグマラシが進化する…!!」

マグマラシの身体が大きくなり、ハガネールの尻尾を受け止めている姿がバクフーンになった。バクフーンは吠えてからハガネールに向かってかえんほうしゃを放った。

「バクフーンに進化した時にかえんほうしゃを覚えたんだ…!」

バクフーンはハガネールから少し距離を置いて振り向いた。そして、笑みを浮かべて拳を作った。

「あの時、進化しそうだとわかっていたから戦いたかったんだ!すなあらしが続いてるけど頑張ろう、バクフーン!」

「突然の…進化に驚きました。続きをしましょう!鍛えぬかれた鋼はこれくらいでは錆びないの!」

「はいっ!燃え盛る炎は消えはしない!!」

ハガネールvsバクフーンの戦いは始まったばかり。進化してどれぐらい強くなったかこのバトルでわかるはず…これからのバトルが楽しみになってきた。
それからお互いの攻防戦が続き、お互いあと1撃で決まりそうなところまできた。

「バクフーン!かえんぐるま!」

「ハガネール、アイアンテール。」

物理攻撃がぶつかり合い同時に倒れそうになった。

「バクフーン踏んばれ!!」

「ハガネール、頑張って!」

呼びかけによってお互い踏んばったけど、ハガネールは気を失ってゆっくりと倒れた。

「頑張ったね、ハガネール。…私達は最後まで諦めないっ鋼の心で!」

最後の1匹、コイルが出された。流石にバクフーンはボロボロになってるし、どれぐらい強くなったかわかった。

「バクフーンありがとう。お疲れ様。」

バクフーンは満足げに頷いてボールに戻った。本人もこのバトルに満足してるようで良かった。

「ライボルト!!」

「でんじはと10万ボルトは効かないのなら…ソニックブームでいきます!」

「10万ボルト!」

ソニックブームは当たったけど相手のコイルは運が悪く麻痺状態になった。

「焼き払え!かえんほうしゃ!」

タイプ一致技ではなくても特攻が高いライボルトだからこそ十分な火力が出る。かえんほうしゃが当たってもコイルは特製のがんじょうで耐えた。

「コイル、頑張って!ちょうおんぱ!」

「かみなり!」

ちょうおんぱを受けながらかみなりを放ち、コイルは倒れた。

「お見事でした……。ポケモントレーナーとして貴女の方が上手みたい。強さも優しさもね。…ではリーグの決まり通り、バッチを差し上げます。」

スチールバッジをもらってケースに入れた。あとバッチ2つでリーグに挑戦ができる。

「……あのう、あとこれもどうぞ。」

そして恒例になってきた技マシンを受け取った。

「その技マシン23はアイアンテールという技…。硬い尻尾を叩きつけながら時々、相手の防御を下げる事があるんです……。」

「ありがとうございます。」

「あ、あの……あんまり上手く言えないけど……頑張ってくださいね。」

「はい、頑張ります!次はチョウジタウン目指します。」

ジムを出ると嵐が去って雲1つもない青空が広がっていた。ポケセンで手持ちを回復させてからチョウジタウンを目指した。
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